1999年 山形おばこが啓翁桜のミュータントとして生まれて以降、敬翁桜の歴史をミニチュア化して見せてくれるような現象が見られる。
2003年 作付け本数を増やしたためにさらにミュータントを見つけやすくなった。
2004年 白花変異山形おばこ 1個体 すぐに枯死
2004年 矮性山形おばこ 2個体 鉢植えで・・・なかなか育たない。
2005年 矮性早咲き山形おばこ 増殖中 岡山では全滅のもよう。6株。
2005年 早咲き山形おばこ 試験中 2006年は11月20日に切って12月6日咲いた。
2006年 八重山形おばこ ほんとに八重なのか、固定しているのかさらに継続観察。
2006年 白花変異山形おばこ 1個体 すぐに枯死
2006年 なんとも表現しがたい・・・でも変わった。 1個体
敬翁桜もこうして分離してきたものかなとおもう、RAPD分析からすると交雑分離ではない小さな違いで差が出ていた。当山形おばこは山形1系敬翁桜とRAPDでの違いは見つからなかったからかなり近いわけだ。
自然突然変異は1/2000000といわれるが一枝300芽の短花枝をつけ、100本の枝を立てる株が250株なら7500000芽は観察できるわけで、決して理不尽な数字ではなく、特に汚染された環境というわけでもなさそうだ。
植物はこのように毎年時々刻々と変化している。弱体化していくものが多いのは否めないが、なかには人間が欲しがる形質を見せてくれるものが時々出る。
これらの形質や性質に対して、封印してしまおうとしたり、積極的に葬り去るのは何か自然の進化に対しての背任行為のような感を受ける。
啓翁桜の休眠が短くなっていけば、正月に出せるという現在の山形が地理的気候的に持つ優位性が崩れると心配する話はよく聞く。しかし、それは通常栽培でも冷蔵したり薬剤処理したりして行っているわけなのでとくに開花を持って特産性はいえない。啓翁桜が山形で栽培される最大の原因は気候風土に適合し、生育に適し病気がつかないからと推測できる。
隣の宮城県は6月に多雨多湿になり、そのとき胴枯れや樹脂病などの病気によって啓翁桜の枯れるのがよく見られた。山形の原種啓翁桜は宮城県側では農薬なしに20年は持たない。最近は農薬の使用基準も厳しくなってきている。ローカルな気候風土にあった桜にしていかないとさらに栽培が困難化していくと思われる。
ともあれ、毎年のようにミュータントを出してくれる山形おばこではあるが、惜しむらくは種子がなかなかできない。せめて、怠ることなく花見をしてどんな変異を出してくれるかだけ期待していくしかなさそうだ。各地に散った原種山形おばこから、ローカルな変異がでてきて、その土地にあった耐病性や、商品性などがてでくることも大いに考えられる。そしたらその土地の名前をつけて変異種として出回ることだろう。嫉妬心にかられて、県外に売るなとか、鉢植えでなんか売ったらどこかで増えてしまうと、異常な警戒をされても、私も困ってしまう。
いずれにしても要不要にかかわらず1/2000000の確率でしかでない自然突然変異だが、利用できる変異はそのまた1/100位だから簡単には出ない。でてくる変異はくずのような変異ばかり、せっかくそのなかから出てくるのだから、いいものがでたらとてもうれしい。
変異体が欲しい人には応相談だが、どんなものかは育ててみないとわからない。